「乳房炎防除管理プログラム」は、ステップ1「乳房炎の総合分析」から始めます。
乳房炎は発生要因が多岐にわたります(人、牛、搾乳機械、牛舎の衛生…)。
そのため、どこから手をつけてよいか、わからないという声をよく聞きます。
つまり、乳房炎を制御するには、「発生要因を区分し、体系的に調査・分析を進める手法」が必要です。
そこで、企業が実践する「タートルチャート活用によるプロセスアプローチ」という手法に着目しました。
乳房炎が多いことは、「搾乳」という工程(プロセス)のどこかに問題があります。
そこで、「搾乳」工程のどこに問題点があるか、①牛、資材(搾乳工程に投入されるもの)、②方法、③人、④施設と環境、⑤評価指標の5つから調査・分析します。
それを表現した図を、文末に添付します(クリックすると大きくなります)。
上から見ると、「亀(タートル)」に似ているので、これをタートルチャートと呼びます。
発生要因を5つに整理しているので、要因が多岐にわたる「乳房炎」の調査に、非常に適しています。
この手法では、まずアウトプット(生産状況)として、バルク乳体細胞数・細菌数、乳房炎の発生率、乳の廃棄率などを調査します。
最初に、乳房炎に関わるアウトプット(生産状況)を調査し、次にその生産状況が何によってひき起こされているのか、5つの視点からアプローチします。
次回、タートルチャート分析の第一歩、「アウトプットの把握」について、解説します。