コラム

第5章 教育・訓練~何を教育するのか?

第5章では、人材育成のための「教育・訓練」について、記述されています。

まず、教育・訓練の対象項目は、何でしょうか?

第5章1.では、「衛生管理に関する基本的な知識、作業…」、「HACCP計画」「一般的衛生管理プログラム」…と全体的なことが書かれていますが、やや具体性に欠けます。

そのため、もう少し特定する必要があります。

まず、第2章5.では、特定事項(緊急事態)への対応を判断する要員を決めるよう、記述されています。

また、第4章3.では、HACCP計画におけるモニタリング従事者への教育・訓練が要求されています。

つまり、農場HACCPにおける教育・訓練として、「特定事項(緊急事態)への対応」、「HACCP計画のモニタリング」は、必須項目といえます。

一方、第2章7.では、経営者は従事者の業務遂行能力を把握し、その保持向上を図るため、教育・訓練の機会を与えることとあります。

すなわち、家畜を健康的に飼育し、安全な家畜・畜産物を出荷するために必要な事項を、教育・訓練しなければなりません。

しかし、これは非常に幅広く、力量を評価しにくい事項も含んでいます。

経営者が経営学(とくに人材マネジメント)を学んでいる農場では、農場の「使命(ミッション)」や「なりたい姿(ビジョン)」を掲げ、それを達成するために必要なスキルを洗い出し、それぞれに評価者および評価法を決めるなど、優れた仕組みを構築している例があります。

しかし、そこまでの人材マネジメントを実践している農場は少数であり、それがために注目されていると思います。

一般的には、「HACCP計画のモニタリング」と「特定事項への対応」を必須項目として、基本的な飼養管理や疾病発見を項目に加え、必要に応じて補完していく方法が、無理がないと思います。

そして、項目を決めたら、第5章1.(1)~(4)の事項に沿って、教育・訓練を実施していきます。

赤松ファームクリニック

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