コラム

第4章 危害が発生する状況の確認

第4章2.(2)①②では、どのような状況下で危害が発生するか、あるいは管理条件によって危害が増大するか、制御されるかを考えるよう、要求しています。

たとえば、「バルク乳の冷却・保管」工程では、定時の温度監視をきちんと行わないと、病原微生物の増殖を見逃し、「食中毒(危害)」の可能性が増大します。

一方、適切な管理として、定時(あるいは連続的)に、バルク乳温を監視すれば、病原微生物の増殖による「食中毒(危害)」の発生を制御できます。

また、酪農場において搾乳後、ミルクライン切替えを忘れたまま洗浄を行うと、酸・アルカリ洗剤がバルク乳に混入し、食品事故になります。

そのため、「切替え」工程をCCPに設定し、「バルク乳への洗剤混入」を防止する例が多くみられます。

しかし、最近のミルキングシステムでは、ミルクラインが洗浄側にセットされていないと、洗浄が始まらないよう、制御機能が付いています。

もちろん、機械は壊れる可能性があるので、目視確認は必要ですが、このような制御機能を有する農場では、「切替え」工程をCCPに設定せず、一般的衛生管理プログラムで「洗剤混入」を管理している例もあります。

このように、同じハザードでも、管理条件によって危害が増大したり、制御されたりします。

つまり、第4章2.(2)①、②では、どのような状況の時に危害が生じるか、あるいは管理条件によって危害が増大するか、制御されるかを考えることを要求しています。

これらの①,②の事項は、ハザードと危害の関係性を考え、次のハザード評価や管理手段を決めていく上での思考プロセスといえます。

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