第3章3.「意図する用途」とは、出荷した家畜・畜産物がどのような用途に供され、どのように取り扱われ(加熱・調理の仕方、あるいは生食されるなど)、どのような消費者が喫食するかを記述するものです。
これは、コーデックスのHACCP手順3「食べ方、使用法を確認する」に該当します。
「意図する用途」も、ハザード分析への活用を目的に記述します。
つまり、ハザード分析(第4章)において、ハザードを評価し、許容限界や管理手段を決定する際の ”助け” として、活用するものです。
たとえば、生食用の鶏卵は、加熱殺菌という工程がないために、それを考慮してハザードを特定し、管理手段を決めていく必要があります。
具体的には、インエッグ感染するサルモネラ、滞留卵の発生などをハザードとして抽出し、高齢者や乳幼児が食べる可能性を考慮して、確実な管理手順を決めていきます。
生乳にしても、低温殺菌用とUHT殺菌用では、当然ながら低温殺菌用の方が高い衛生管理が要求されます。そのため、「生乳への微生物汚染」などの生物的ハザードの評価や、それに対する管理手段も違ってくる可能性があります。
いずれにしても、「家畜・畜産物の特性」「意図する用途」とも、ハザードを評価したり、管理手段を決定していく際に活用するものだということを、ご理解ください。