第3章1. では、「原材料・資材の安全性」に関する要求事項が記述されていました。
つまり、農場にインプットされる物質の安全確保であり、HACCPに取り組む上での第一歩になります。これはわかりやすいですね。
ところが、第3章2.では「家畜・畜産物の特性」、3.「意図する用途」と、出荷する家畜・畜産物の話に急展開します。
農場HACCP研修の講師をしていた際、この段になると説明が難しくなったのを憶えています。
ここでは、農場からアウトプットされる家畜・畜産物(最終製品)の特長や安全基準、出荷形態、農場の責任範囲、さらには、どのように流通されて安全に消費者に届くかまでを、「製品説明書」に記述することになります。
つまり、農場を基点として、フードチェーンの上流である供給者から仕入れる情報が「原材料・資材リスト」、フードチェーンの下流に流す情報が「家畜・畜産物の特性」「意図する用途」になります。
そのため、フードチェーンの下流(流通業者、食品工場、消費者等)から要請された場合、製品説明書は開示され、品質保証書に準じた扱いを受ける可能性があります(ただ、そのようなケースは、あまり聞いたことがありません)。
では、「家畜・畜産物の特性」を記述する目的は何でしょうか?
実は、ハザード分析を実施する上での必要事項として、最終製品(出荷する家畜・畜産物)の特性を記述するのです。
次回、そのあたりについて、説明します。