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CAPDoに基づいて、適切な目標を設定する。

まず、CAPDo(キャップ・ドウ)という言葉を解説します。

PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Act)という言葉はよく聞きますね。しかし、いきなり計画を立てることから始めるため、そもそもの計画が不適切でつまずく場合が多いと聞きます。

そこで、いきなり計画(Plan)ではなく、Check(検証)から始める「CAPDo (Check→Act→Plan→Do)」という手法が提唱されています。

つまり、まずは現状を調査して検証し、それに基づいて改善計画(プラン)を立案し、実行し、さらなる改善を重ねるもので、現場の問題解決には非常に有用です。

(現在、デーリイ・ジャパン誌に「乳房炎防除管理プログラム」を連載していますが、同プログラムもCAPDoの考え方に基づいています。)

さて、農場HACCP認証基準では、「衛生管理方針」と「衛生管理目標」を立てるところからスタートしますが、いきなり方針や目標を立てることにとまどった方も多いと思います。

「現状を把握していない中で、方針や目標をどう立ててよいか分からず、とりあえず、解説書の例を参考に作ってみた」というパターンが結構、多いと思います。

そこで、CAPDoに基づいて、まずは現状の調査から始めると方針や目標を立てやすくなります。

酪農場の例では…、

1.バルク乳温度上昇(クーラースイッチ入れ忘れ)、休薬期間中の乳の混入、洗剤類の混入などによる廃棄事例、クレームあるいはヒヤリハット事例があったか?

2.過去1~2年間のバルク乳体細胞数や細菌数の成績はどうか?

3.乳房炎発生率(搾乳頭数比)はどの程度か?

4.牛の健康性はどうか?                            (BCS、RFS、糞スコア、毛づや、活気、体表の傷、跛行スコア、バルク乳栄養成分などを調査する。)

5.牛舎や搾乳施設の5Sはどうか?                      (牛体や搾乳器具の汚れ、換気の状態、アンモニア臭の有無、機材の整理整頓などを調査する。)

6.子牛の損耗率、成牛の更新率はどのくらいか?

上記を調べて、標準的な数値と比較して検証すれば、農場の衛生や牛群の健康性のレベルが分かり、それに見合った妥当な方針や目標(数値)が見えてくると思います。

マネジメントの第一歩は目標の設定です。そのため、適切な目標設定は重要です。逆に、不適切な目標を立ててしまうと、マネジメントが機能しなくなります。

農場HACCPに取り組む際、まずは現状の調査から始めて、方針や目標を立てると円滑に進むと思います。ぜひ、参考にして下さい。

 

赤松ファームクリニック

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