コラム

経営資源の充実~マネジメントシステムの要件

農場HACCP認証基準第2章7.では、経営者は人・設備等の資源を管理するよう、要求しています。

農場HACCP認証基準=マネジメントシステムです。

マネジメントシステムは、要約すると「方針・目標を達成するために、人・物・金・時間などの資源を最適に活用し、組織(工場、農場など)を維持・発展させていく体系的な仕組み」といえます。

つまり、人・設備等の資源を必要に応じて充実させていくことは、農場HACCPにおいても、当然に求められます。

一般に、「人・モノ・金・情報」が4大経営資源と言われており、さらに「知識、知恵、技術(組織=農場が培ってきたノウハウや技術、組織文化、ブランド力)」も重要な資源とみなされています。

農場HACCPは、「食品安全と家畜衛生」を第一に目指すものですが、それを達成するために、経営資源のうち、「人」と「設備」の充実を図ります。それが、実は農場を発展させる仕掛けになっているのです。

また、農場HACCP認証基準第2章7.では「情報」についての規定はありませんが、これは「外部コミュニケーション」で規定されています。外部コミュニケーションの目的は、経営を存続する上で重要な「情報」という経営資源を入手することです。

ただし、人を育成するには、研修会への派遣や、勉強会の開催が必要になるため、参加費や交通費がかかりますし、畜舎等での作業時間をそれらの研鑽に使うことになります。また、施設の整備にも、”お金”がかかります。

つまり、経営者が”お金”と”時間”を投資する意思がないと、資源の提供と管理は出来ません。そのことを自覚してもらうことが、第2章7.の最大の目的です。

「人」という資源の具体的な管理は、第5章 教育・訓練で実施します。

また、一般的衛生管理プログラムやHACCP計画を策定する中で、必要な設備(あるいは現状の設備の更新など)がみえてきます。そのため、具体的な「設備」という資源の提供と管理は、一般的衛生管理プログラムやHACCP計画に基づいて実施することになります。

第2章7.では、具体的な資源の管理計画を求めているわけではありません。

しかし、第5章 教育・訓練や、第4章 一般的衛生管理プログラムやHACCP計画とリンクしていることを意識すべきです。つまり、教育・訓練や設備管理は、経営者の理解と承認の下で行う事項であり、それにより、経営全体の中で農場HACCPが運用されることになります。

このように、規格の条項が相互に関連し、全体として衛生管理が実施されるように配慮されている点が、「農場HACCP=システム」である所以です。

認証を構築する段階では、第1章~第7章まで、基準にしたがって文書や記録を整備することに追われるかもしれません。しかし、指導側は各条項の関連性を意識して、構築すべきと思います。

とくに、認証を取得した次の段階では、各条項の関連に基づいて全体的な運用を図る必要があります。たとえば、設備の不足があった場合、それが経営者の意識の不足とつながっている場合があります。そのため、そこまで考慮して対応していかないと、組織としての改善につながらない可能性があります。

第2章は「経営者の責任」となっています。第2章の各条項が、第3章以下のどの部分とつながっているか、考えていくと、経営者を中心とした ”農場HACCPの効果的な運用” がみえてくると思います。

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