コラム

コーデックス規格、ISO規格と農場HACCP

NASA等によって開発されたHACCPは、その後、米国の食品業界で普及し、とくに低酸性缶詰の安全性向上に大きな成果を収めました。

そして、1993年、国連のコーデックス委員会(正式名:Codex Almentarius Commission)がその有用性に着目し、「HACCPシステムおよびその適用のためのガイドライン」を策定して、7原則12手順を確立しました。

コーデックス委員会とは、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)の合同による国際的な食品規格を策定する委員会のことです。

1997年、コーデックス委員会の「食品衛生の一般原則」の中に、上記のガイドラインは組み込まれ、各国に示されて世界的に認知されました。

コーデックス委員会による ”7原則12手順” について、以下に概要を記述します。

手順1 HACCPチームを編成する 

手順2 製品について記述する

手順3 意図する用途、対象となる消費者を特定する

手順4 フローダイアグラムを構築する

手順5 フローダイアグラムの現場確認をする

手順6 生産の各段階において、危害要因(ハザード)分析を行う(原則1)

手順7 必須管理点の決定(原則2)

手順8 必須管理点(CCP)について許容限界を確立する(原則3)

手順9 必須管理点(CCP)についてモニタリング手順を確立する(原則4)

手順10 是正措置を確立する(原則5)

手順11 検証の手順を確立する(原則6)

手順12 文書化と記録保持を確立する(原則7)

ここで重要なことは、HACCPという名称を使う、あるいはHACCPの考え方に基づいて食品安全の規格を策定する場合、原則として上記のコーデックス委員会の指針に従うことが求められるということです。

つまり、ISO22000食品安全マネジメントシステム(後述)にしても、農場HACCP認証基準にしても、上記のコーデックス委員会の指針に従うことが原則として求められます。

農場HACCP認証基準第1章3.で、「コーデックス委員会による ”食品衛生の一般原則に関わる規則” 、”HACCPシステムおよびその適用のためのガイドライン” および”農場HACCP認証基準”の用語を原則として使うこと」と規定されているのは、このためです。

このようにして確立されたHACCP手法(7原則12手順)ですが、これらはあくまでガイドラインであり、各国政府が自国のHACCP規格(システム)を作成するための基礎をなすものでした。

しかし、流通のグローバル化に伴い、世界各国で独自のHACCPシステムを持つことにより非関税障壁が作られ、自由貿易を阻害することが懸念されたため、国際的に共通のHACCP規格を策定する必要が生じました。そのため、ISO(国際標準化機構)により、国際的に共通でHACCPを審査できる規格としてISO22000:2005が誕生しました。

ISO22000:2005の特徴は、HACCP(7原則12手順)とISO9001マネジメントシステムが融合した点にあります。これにより、食品安全の機能だけではなく、従事者教育(人材育成)、コミュニケーションの改善および経営者責任の明確化など、組織向上の機能もより強化されました。

そして、農場HACCP認証基準はISO22000:2005に準拠しており、両者の要求事項はほぼ共通しています。

マネジメントシステムとはどのようなもので、農場HACCP認証基準にどのような優位性を与えたか、次回に解説します。

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